あぶついとはなんだったのか

投稿者: | 2011年3月21日
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2011年4月5日 追記 あぶついったーリニューアルオープンしました

2009年の2月3日、あぶついったーというサービスを開始しました。同じ年の12月9日に閉鎖するまでの10ヶ月間、様々な方に愛され、一喜一憂され、嫌われ、disられたあぶついったー。「あぶつい」という愛称で親しまれたこのサービスとはいかなる意図、いかなるシステムだったのか。最初の公開から二年経った今、技術的なことも含め、今更ながら語ってみようと思います。

開発のきっかけ

そもそもこのサービスをつくろうと思ったきっかけは、たったひとつの誰かの発言からでした。

変態ランキング

というたった一言だけのこの誰かのつぶやきから思いついた、ただそれだけのサービスのはずでした。

当時、今と変わらず、いやむしろ今よりもふぁぼったーが大人気だった時代、5人以上にふぁぼられる通称「赤ふぁぼ」を獲得するのは、かなりの割合で「変態チックなつぶやき」でした。その様子を「変態ランキング」と称したのが誰だったのか、今となっては覚えておりません。しかし、今現在に比べればTwitter全体のユーザー数が極端に少なかった当時はそのような「赤ふぁぼ」を得るのは「Follower数の多い人物」、すなわちもともと多くの人の目に晒されている人たちが基本でした。

Follower数の少ない人達の中にも埋もれる変態予備軍がいるはずだ、ふぁぼったーでは埋もれてしまう彼らを引っ張り出してきてこそ「変態ランキング」ではないだろうか、そう思った次の瞬間には開発に取り組んでいました。

開発にあたって

もともと Perl 言語が好きだったので、開発は Windows Server 2003 + Apache + ActivePerl で行いました。エディタは EmEditor。プロ版は素晴らしいですがフリー版で充分です。

まずはデータの収集を如何にして行うか、そこが問題でした。当時(今でも)Twitter公式の検索機能は、日本語のようなマルチバイト文字に対して致命的なほどに残念な結果でした。そこでなにか方法はないものかと模索したところ、@PENGUINANA_ 氏の開発されたついったー検索を使わせていただくことにしました。日本語ユーザーのみを検索でき、しかもその結果を Atom で受け取れる。こりゃ使わない手はないよね!

というわけで、ついったー検索からデータを収集してくるところから始めました。いくつかの単語(最終的には150を超えた)で検索して Atom で受け取るアドレスをテキストファイル(hentaitwitterlist.txt)に一行ごとに記述。それらのアドレスから順番にデータを受信してひとつにまとめる。手元にソースコードがもう存在しないので、こんな感じ、というのを以下に書きます。

こんな感じ。うろ覚えで書いてるけどたぶんこんな感じ。基本的な流れは LWP::Simple で 検索結果を GET してきて、キャッシュを検索結果ごとに作成、XML::FeedPP で受信したデータをまとめる。ついったー検索がたまに空の検索結果を返してきていたので、アイテムの一番目がない場合は前回のキャッシュを使う、という方法を取っていました。

XML::FeedPP は超便利。Pure Perl なのでレンタルサーバでも使えるし、色んなところで使ってます。この時点ではフィルタリングは全くしていません。検索結果は各単語ごとに20件ずつ返ってくるので、それをまとめているだけです。さらに前回取得してあるデータと結合させ、重複ポストを省いています。これも $feed->merge () と $feed->normalize() だけで行えるので簡単です。何回か値は変えましたが、 $feed->limit_item() で一定の数を超えたら古い方から削除していました。この時点で RDF ファイルにデータは全て格納されます。

此処から先は一から書くと長いのでソースコードは省略させていただきますが、RDF ファイルの中身をハッシュに格納した後、keys 関数にて全てのキーのリストを取り出してソートします。省略して書くとこんな感じ。

ソースを見れば分かるかと思いますが、「http:」を含むポストは除外しています。これは、主に bot 除外のための処置でした。bot 判定ルーチンなども他に存在したのですが、それは割愛させていただきます。

keys 関数を使って取り出したリストは、そのまま「ID」「ポスト数」で並べられたリストになっているので、この結果をそのままテキストファイルに保存します。実際には、前回の結果と照合して、前回の結果から上がったのか下がったのかをリストに追加して保存していました。こんな感じ。

ここまで書いてきてお気付きだと思いますが、あぶついったーは全てのデータをテキストファイルに保存しています。データベースなんて使っていません。それには理由があるので後述します。最後に CGI から以下のようにテキストファイルから結果を呼び出します。

実にシンプル。シンプルというよりレベルが低すぎるシステムです。Web2.0 なんて真っ青の古臭さです。しかし・・・

あぶついったーは何故か愛された

何故かは未だに分かりません。ただ、あぶついったーを停止したあと、他の誰かが後継として作った「あ『ふ』ついったー」は余り流行らなかったようです。もうそういう時代の流れではなかった、といえばそうなのかも知れません。ただ、「あ『ふ』ついったー」のランキングを見て思ったことはあります。

「bot アカウント入り過ぎなんじゃないだろうか」と。

あぶついったーではそのメンテナンス作業の殆どは「botアカウントの排除」でした。bot判定ルーチンの改良を重ね、それでも漏れるbotアカウントに関してはフィルタリングして対処していました。毎日のようにランキングを自らチェックし、少なくとも10位以内には bot アカウントが入らないように心がけました。「Webサービスは作った後の手入れが大事」って誰か言っていた気がするけども、まさにその通りだと思っていました。

あぶついったーは「つぶやく理由」になっていたのかも

あぶついったーのサービス停止後、@makoPi がブログにこんなことを書いていたのが印象的でした。

創生期

僕がtwitterを本格的にやり始めたのは今年の4月くらいでした。あの頃は本当に何も無い状態。ネット上の人としての価値は零に等しい存在でした。なにか優れた特技があるわけでもなく、初期フォローデッキの方々にはフォロー返してもらえず。の状態がしばらく続きました。そこで見つけたサービスがあぶついでした。

「とりあえずあぶついで上位に入れればフォローも増えるんじゃないか?人が集まってくれるんじゃないか?」といういやらしい考えになり、連日下ネタpostをし続ける日々を送りました。ただ、僕個人の美学として”うんこまんこちんちん”的な低俗なpostでは無く、もっとレベルの高いpostをしてあぶついに載ることを目標としていました。

楽しかった期

それを目指し出してからは楽しかったです。頭の中からスラスラ言葉が生まれてくる状態でそれを紡いでおけばあぶついの順位もグングンあがっていく。単純に順位が上がるのは楽しかったです。自分以外のあぶつい常連をフォローすると大抵返してくれるため仲間ができた気持ちでした。

@Coshina さんとかに「どうやったら順位あがりますかね~?」とか質問したのを覚えています。

マンネリ

そんなこんなを続けているうちにフォローもフォロワーも結構な数が集まっていました。そうするともうわざわざ頑張って下ネタpostをする必要が無いのです。とうか一歩引いた目線で考えるとずっと卑猥なpostを続けているあぶつい仲間が異常に見えてくるのです。

“変態クラスタ”を自称してオープンに性的なことをpostする集団のようでしたかが色んな所から叩かれたしていましたし。僕は関わりたくなかった。

僕はこのへんであぶつい近辺から手を洗いました。

終局

最後のあぶつい順位は一部の人が独占するような状況だったと聞いてます。

切磋琢磨したあの日々はもう無いんだなぁと思うと悲しいです。

最後にあぶつい対して、感謝の言葉

「俺が前に進めない時にいてくれてありがとう。またな。」

これは嬉しかった。これは嬉しかった。大事なことなので二回言いました。

あぶついったーが産まれた頃はまだ世間一般で「Twitter」なんて言葉が認知されていない時期で、爆発的にユーザー数が増加する手前の時期だったから、始めた人が今以上に「ついったーって何つぶやけばいいの?」って疑問を持っていたし、よくそういう議題でブログを書いてる人がいました。だからこそ @makoPi のようにつぶやきの方向性を決めたことでフォロワーが増えるきっかけになったことは、とても嬉しかったです。

マンネリ期は明らかにフィルタリングのミスだった

彼の言うように、あぶついったーのマンネリ期~終局までは「一部の人が独占している」状態でした。理由は運営していた本人が一番わかっています。運営開始時期、フィルタリングには「RT」「QT」を含むポスト集計からは除外するよう設定してありました。理由は至極単純で、「他人の変態発言の引用なのだからそれは本人のものではない」からでした。

しかし、終局から2~3ヶ月前からだったと思いますが、あえてそのフィルタリングルールから外しました。その理由としては「他人の変態発言をわざわざRTして発言するのだから、その人もやはり変態なのではないだろうか」という仮説です。

結果、ランキングは「RT会話」をする人で溢れ、その中でも発言数の多い人だけが注目される、という結果になったと考えています。

何故RTフィルタリングを辞めたのか

先ほど「あぶついったーは全てのデータをテキストファイルに保存し、データベースを使っていない」と書きました。何故か。その理由は「データを保存したくなかったから」。

サーバの容量が足りなかったわけではありません。そもそも自宅サーバで運営していたので、容量なんていくらでも増やせるわけですし。しかし、毎回の更新ごとに、順位比較のための前回のデータ以外は全て破棄していました。

過去のデータを残したくなかったのは、Twitter が「今を伝えるサービス」だったからです。過去の順位など意味はありません。今、つぶやき続けて、今も変態発言を続けている人を炙り出す。そういうサービスでなければついったー変態ランキングと名乗るべきではないと考えていました。

なので、bot アカウントの排除以上に目指していたのは「数日でガラリと変わるランキング」でした。そこで、なるべく過去のデータに影響されず、なおかつ、直前の更新との差がそこまで開かない、そういうランキングになるよう、保存するデータの数、フィルタリングの内容には気を遣っていました。そんな中、実験的な意味で「RT」のフィルタリングを辞めてみたのです。

結果、「数日でガラリと変わるランキング」になりました。しかし、それは表面上のものでした。ランキングの上位は確かにガラリと変わるように放ったのですが、100位まで表示させていたランキング内で一部の人が上下しているだけだったのです。それに気付くまでにしばらくかかってしまいました。bot 対策のためにランキング上位しかチェックしない習慣が裏目に出たのです。

そもそも「RT」で会話をするような人たちはちょっと非常識なくらいそれだけで会話するので、ランキングが一部の人で独占されてしまったのも当然の結果でした。未だに「RT」をフィルタリングから外したのは、間違いだったと思っています。

それなら何故設定をすぐに戻さなかったのか

返す言葉もございません。プライベートが忙しくなり、あぶついったーのメンテナンスを怠っていたのは事実です、えぇ。最後の方はつまらないランキングだったのだろうなぁと、元運営者自身、そう思っていました。

そうこうするうちに、Twitter 自体がごく一般の方にも認知されるようになり、いまどき「ついったーって何したらいいかわからないサービスだよね」なんて言ったらそれこそ笑い者な環境になりました。いやホントに。70過ぎた高齢の患者が「ついったー始めたけど面白いね」とか言ってるんだから若いのについったーってよくわからないとか言ってるのはちょっと社会性や想像力が足りないんじゃないかと思うくらい。

「あぶついったー」は「つぶやく理由」としてはもうその役目を終えたのだと思っています。

今でも話題が出ると正直嬉しい

もうサービスが停止して一年以上経ち、その間にTwitter人口は日本だけで5倍以上に増えました。あぶついったーを知っている人はもはや「古参」と呼ばれてもいいレベルになっています(もちろんもっと古参はいるけども)。それでもたまにあぶついったーの話題をしている人がいて、覚えていてくれる人がいるのは、やはり嬉しいです。そのたびに「あぶついって何?」という人が発生しますけども。

「つぶやく理由」としてのあぶついったーはもう必要ないでしょう。今はこんなにもユーザーが増え、誰もが自分の好きなようにツイートし、それが許容されている。あぶついったー時代の人に言わせると、「当時の変態クラスタはおとなしくなった」とのことですが、それでフォロワーとの関係が成り立っているのだから、それでいいのだと思います。

プログラムソースも破棄してしまいましたし、かつての「あぶついったー」が復活することはありません。しかし、「つぶやく理由」ではない、新しい形の「あぶついったー」なら今後新しく始めるかもしれません。

きっとその折には、色々また叩かれるでしょう。嫌われることもあるでしょう。しかし、それで一喜一憂し、楽しんでくれる人がいるならば、またサービスを続けていくでしょう。

Twitter は「自分ひとり」で創り上げるサービスではなく、「誰か」がいて成り立つサービスなのですから

を」創生期

僕がtwitterを本格的にやり始めたのは今年の4月くらいでした。あの頃は本当に何も無い状態。ネット上の人としての価値は零に等しい存 在でした。なにか優れた特技があるわけでもなく、初期フォローデッキの方々にはフォロー返してもらえず。の状態がしばらく続きました。そこで見つけたサー ビスがあぶついでした。

「とりあえずあぶついで上位に入れればフォローも増えるんじゃないか?人が 集まってくれるんじゃないか?」といういやらしい考えになり、連日下ネタpostをし続ける日々を送りました。ただ、僕個人の美学として”うんこまんこち んちん”的な低俗なpostでは無く、もっとレベルの高いpostをしてあぶついに載ることを目標としていました。

楽しかった期

それを目指し出してからは楽しかったです。頭の中からスラスラ言葉が生まれてくる状態でそれを紡いでおけばあぶついの順位もグングンあがっていく。単純に順位が上がるのは楽しかったです。自分以外のあぶつい常連をフォローすると大抵返してくれるため仲間ができた気持ちでした。

@Coshina さんとかに「どうやったら順位あがりますかね~?」とか質問したのを覚えています。

マンネリ

そんなこんなを続けているうちにフォローもフォロワーも結構な数が集まっていました。そうするともうわざわざ頑張って下ネタpostをする必要が無いのです。とうか一歩引いた目線で考えるとずっと卑猥なpostを続けているあぶつい仲間が異常に見えてくるのです。

“変態クラスタ”を自称してオープンに性的なことをpostする集団のようでしたかが色んな所から叩かれたしていましたし。僕は関わりたくなかった。

僕はこのへんであぶつい近辺から手を洗いました。

終局

最後のあぶつい順位は一部の人が独占するような状況だったと聞いてます。

切磋琢磨したあの日々はもう無いんだなぁと思うと悲しいです。
最後にあぶつい対して、感謝の言葉

「俺が前に進めない時にいてくれてありがとう。またな。」

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