中国の発展により日本の歯科医療費が高くなるたったひとつの理由

投稿者: | 2011年2月25日
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いくらでも請求できる自費診療は除いて、保険診療だけ考えた場合、中国の発展により、歯科医療費は高くなっていくし、今後も高くなっていくと考えざるをえない。

その理由は至極簡単なことで、「中国の個人投資家がどんどん金(Au)市場に出資しているから」に他ならない。

個人投資家と聞くと大したこと無いように思うかもしれない。しかし問題なのはその数だ。今や1億人を超えると言われる個人投資家たちがここ数年金市場に手を出し始めたのだからさぁ大変。

私は投資家でもないし、経済評論家でもないから、実際にどのくらい割合の中国個人投資家が金市場に関わっているかはわからない。ただし、この10年の金の価格の高騰を見るとその影響は明らかなのだ。

金は一般人が思っているより遥かに高騰している

2000年(平成12年)、金の1グラムあたりの価格は1000円前後だった。金に限らず、資源は限りがあるのだから、それまでも長年かけて金の価格は少しずつ上がっていた。ゆるやかに。しかし数年前に中国の個人投資家たちが金市場に目をつけてからの価格変動がやばい。2000年に1グラムあたり1000円だった金の価格は、2005年までは緩やかに上がっていた。しかし2006年に急激な高騰を見せ、1グラムあたり2500円台に。そこからさらに5年たった今、1グラムあたり4000円近くにまで高騰している。日本の「都市鉱山」が注目されるようになるのも当然の結果と言わざるを得ない。

話はようやく歯科医療費の部分へ。現在、保険診療で使用が認められている金属のうち、主に使われているのは「金パラジウム銀合金」という合金。金の含有量は12%。他に銀合金も認められているが、銀合金は時間が経つと口の中で黒く変色してくるため、よほど見えない場所でないと見た目が悪くて使いものにならない。どうしても金が含まれる金パラジウム銀合金が保険診療ではメインの材料になってしまうのだ。

一般の方に馴染みのある呼び方で言うと、「差し歯」「銀歯」はこの金パラジウム銀合金だと考えて差し支えない。金の価格が高騰すると、単純にこの「材料費」も高くなってしまうのだ。実際、金パラジウム銀合金の価格が変動すると、保険診療点数の改訂が行われてきた。合金なので、金以外の金属が安くなると合金としての価格も安くなるため、これまでも保険診療点数が「安く」なることはもちろんあった。しかし、残念ながら今のままでは金の高騰は止まる気配を見せない。さらに保険診療点数の改訂が行われ、結果、日本の歯科診療費はさらに高くなると思われるのだ。

金合金を使わなければいいのではないか?

と思われる方もいるだろう。しかし、歯科で他に認められている金属(合金)のうち、前述した銀合金は経年によって黒く変色するし、ニッケルクロム合金は物性が弱い上に金属アレルギーになる可能性が高いので、いまどき悪徳以外使っているところはほとんどないと言っても過言ではない。

金属ではなく樹脂(CR)を用いるという選択肢もある。が、これは詰めるor被せる部分の形をうまく削れる歯医者でないと、はっきり言って「割れる、欠ける」のだ。金属ならば多少薄いところがあってもなかなか割れたりしないし欠けたりしない。金属の展性とか延性とかそういう物性の話になるが、その辺は物理学の先生にでも聞いてください。

話はずれますがパラジウムの高騰もやばい

先程から「金パラジウム銀合金」と表記しているとおり、この合金は「金12%」、「パラジウム20%」、「銀50%前後」、他数種の金属からなります。このパラジウムの価格変動もかなりのもんです。

先ほど金の価格が1グラムあたり4000円近くまで高騰してる、と書きましたが、このパラジウムも2001年の初頭に1グラムあたり4000円を超えたことがあります。その時の金パラジウム銀合金の価格も今と同じくらい高騰しました。その1グラムあたり1000円以下にまで落ち込み、今はまた1グラムあたり2500円まで上がり始めています。

パラジウムの価格が高騰したのは、たぶん2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章氏の「鈴木・宮浦カップリング」のせい。あの有機合成のカップリング反応の触媒として使われるのがまさに「パラジウム」だった。このへんは個人的な思い込みなので、いやそれは違うよとか突っ込んでいただけるとありがたいです。

ともかく、金パラジウム銀合金というこの歯科用金属は、「金」と「パラジウム」という高騰傾向にある金属二種が含まれているため、価格が高騰しやすいというわけなのだ。

とりあえず都市鉱山の発掘がマジ重要

知ってるデータが古いけども、2008年の段階で、日本の都市鉱山に眠っている金の埋蔵量は全世界にある金の16%に相当するっていうのがマジなら、とりあえずこれをなるべく発掘するのが急務じゃないかなぁと思うのです。

え、結局それ?と言われましても結論は最初の二行目くらいで書いちゃってますし。おすし。

鈴木・宮浦カップリング

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